[宮城県・蔵王町]
週末の息抜きのためと、息子たち(4人)や孫達との休日の団欒のために、どこかにログハウス建てようと考えていました。
蔵王は自然が豊かで温泉もあり、自宅からも車で1時間以内なのでいつでも気軽に来ることができます。
それで、ログハウスを建てる場所はここに決めたわけです。
私達は木のぬくもりが大好きで、以前からログハウスにはあこがれていました。
それに、ログハウスならセルフビルドができます。
なんでも物を作ることが大好きな私がログハウスのセルフビルドをするのは、とても自然なことでした。
私達は昔から、海外へ旅行に行ってもほとんど写真を撮らずに記録がないのです。だから、ログハウスセルフビルド中の写真もないのです。
それに作業のほとんどを夫婦二人で行いましたから、写真を撮る時間がなかったのも事実ですね。
写真はないのですが、これからセルフビルドをされる方の参考になればと思い、私達のログハウスが完成するまでの流れを少しご紹介しましょう。
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ログキット契約と建築確認申請
3月末で定年になるという年、以前からインターネットなどで調べていたキートスにまず、とるものもとりあえずに家内と出かけました。
キートスの事務所で会ったNさん、Tさん、Kさん達の笑顔に、ログハウス部材の契約を即刻しました。
仙台に帰って、建築確認申請を知り合いの建築士に頼んでみると、20万円ほどかかるとのこと。
定年で時間もあることだしと、自分でやってみることにしました。
インターネットから無料で手に入るソフトを使い、一晩で申請書完成!
蔵王町の建築課は親切で誤りを丁寧に直してくれて、9,000円の印紙を張るだけでOKでした。
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基礎工事と荷受の準備
ログ部材キットは7月中頃到着とのことだったので、それまでに自分一人で基礎工事もやろう思い、土地に生えているコナラ、ミズナラ、クヌギの大木の伐倒と根起こしを始めました・・・。
でも、5本目でダウン。
結局、町の基礎屋さんに残りの大木の処理と基礎工事を依頼しました。
キートスからの連絡によると、ログ部材は6月10日にフィンランドを出港し、日本到着予定は7月16日前後。
6月末には基礎工事が完了し、7月12日には荷降ろしのためにクレーン車も手配。
準備は万全です。
予定通り、2004年7月16日、ログ部材を積んだコンテナが横浜港に到着しました。
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ログ部材の荷降ろし
部材を積んだ40フィートコンテナは、建築地に向かって夜通し走ってきます。
翌朝豪雨の中、キートスのスタッフTさんの陣頭指揮で荷降ろし作業開始。
作業は順調に進み、11時前にはコンテナから全ての荷物が降ろされていました。
そして午後1時半には、部材全ての敷地内搬入が終わりました。
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ログ組みから屋根仕上げ
翌日、ログ材の梱包解きです。
いよいよログ組みが始まりました。
作業の多くは夫婦二人だけで行いました。
8月26日、最後のログ積み、北側16段目が完了しました。
32本の垂木をロフトの床に上げて、9月4日から妻壁パネル作りを開始しました。
9月12日、南側の妻壁パネル完成。
これを車のジャッキで30度ほど立ち上げ、翌日から北側妻壁パネルも作成開始です。
9月16日、妻壁パネルは両側とも完成しましたが、手の使いすぎのためでしょうか、右手に痺れが出てしまいました。
ここから高い所での作業になるし、安全を考えて屋根部分は業者に依頼しました。
9月30日、屋根下地工事が始まりました。
「6日間かかる」ということでしたが、3日間で完了。
大工3人の手間賃、合計135,000円だけで済みました。
一人の大工がクレーン車を持っていたので、この料金も無料でした。
蔵王町の我妻大工は良心的で、飛び切りの腕を持ち、驚くほどの精度で作ってくれます。
これは垂木の間に発泡スチロール製の断熱材を入れるときに実感しました。
寸法に全く狂いがない。
垂木は結構曲がったものがあったはずなのに、どのようにして調節したのか謎です。
9月28日、板金屋さんによる 屋根葺きも完了しました。
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外壁塗装と内装作業
その後の作業は、ほとんど夫婦二人で行いました。
もちろん専門工事(浄化槽設置、水道工事、ストーブ煙突)は業者に依頼しましたが・・・。
10月5日、1階の窓・入口ドアの取り付け完了しましたが、足を踏み外し、右後ろ腰上部を打ち痛くて、しばらくは仕事になりませんでした。
傷みも癒えた頃、外部キシラデコールによる塗装を開始。
手の届かないところはスプレーで塗装です。
足場が10月28日で取り外されるので、上の方は足場があるうちに二度塗りしました。
11月22日、床張りも完了しました。
12月1日、薪ストーブ置き場も作成し、待望の薪ストーブの使用開始です。
私達がセルフビルド中に質問電話などをしなかったので、キートスでは「どうなったのかな?」と心配していたらしいですが、特に問題もなく、質問する事項もなく、セルフビルドが終わっていました。
セルフビルド中に全く問題がなかったわけではありません。
台風が来て水浸しになったり、1本だけどうにもはまらないログがあってテコを工夫してやっとはめたり、そのほかにも小さなトラブルはいろいろあったように思います。
でもログハウスができあがってしまうと、「すべてが楽しい思い出」となってしまいました。
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完成したログハウス
完成したログハウスを少しご紹介しましょう。
外壁の塗料は「キシラデコール」、
色は「カスタニ」です。
少し濃いめの色で、気に入ってます。
内部もご覧になられますか? 玄関からどうぞお入りください。
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室内 (1階)
まずは、1階のリビング。
ノルウェーの薪ストーブ『ヨツール602』は、ログキットと一緒に取り寄せました。
薪ストーブは4年目を迎えました。
まだ一度も煙突掃除はおろか何の手入れもしていないのに、完全に作動しているのに驚いています。
蔵王の真冬でもこの薪ストーブ一台で、暖房はおろか湯沸し・料理すべてをこなしているのにも驚きです。
この近くに仙台―川崎薪ストーブの会という組織があり、町有林を再生させるための伐採手入れで薪が無償で手に入るのがうれしいです。
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室内 (ロフト)
さて、次はロフトへ上がりましょうか。
階段脇に飾っているのは私の趣味、手彫りの能面です。
こちらは、ロフト。
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1階の水周り
浴室はユニットバスではなく、自分で作りました。
なにをどのように作るか・・・二人でいろいろと考えるのも楽しい時間でした。
「水周りはしっかりやらないとログが腐る原因になる」と思い、かなり気合を入れて取り組みました。
セトリングも考慮して、まずログの内壁に余ったひさしの屋根裏材を張り、それに通気性はあるが水を通さないシートを張り、その上に通称さんとう板(3尺―10尺の石板)をねじ止めし、そのうえに大理石を接着剤ではり、目地は防水防カビの目地シールで埋めました。
大理石は1センチ厚であったため、切断や水道管を通すための穴あけに苦労しました。
それでもホームセンターで径10センチのダイヤモンドカッター(500円)を3枚買うだけで済ませました。
水道工事屋さんが「どうやって500円のカッターで3センチほどの穴をきれいに開けたのか」と驚いていました。
洗面台も手作りです。
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屋根裏の換気は・・・
屋根業者さんのアドバイスで、面戸板と妻壁の両方に換気口を取り付け、室内には棟木下に天井板を貼って、屋根裏換気がより効率良く行われるようにしました。
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追加工事
部材が結構多めに来ていたので、設計図にはない個室の天井を新たに作ったり、ベランダに防風壁を作ったりもしました。
余り材で作った防風壁は、北西からの風を遮ってくれます。
もちろんセトリングを考慮しています。
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ログ暮らし
現在、私は妻との穏やかな時間をログハウスで楽しんでいます。
食事はおおむね外のベランダ(デッキ)で自然を楽しみ、空気のおいしさを味わい、その後はすぐそばの畑で無農薬野菜の手入れ、そして私は能面つくり、妻はピアノ、時々ストーブの薪集め、夕方には温泉に入り、満ち足りた毎日を
過ごしています。
これもすばらしいログハウスを提供してくれたキートスのおかげと感謝しております。
夫婦二人のセルフビルド、本当に楽しかったですよ。
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キートス・ログハウスキット GP-76
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